asaka|つかえる心理学

日常につかえる心理学、雑学的な心理学、学びになる心理学を綴ります。

【基礎理論】知能発達の三段階|認知発達心理学

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今回は発達に中でもピアジェの発達理論について取り扱っていこうと思います。

ピアジェエリクソンやハヴィガーストの発達課題とは異なり、「知識の発達」という点

で発達段階が存在しています。

個人の内面や社会適応という点で見ているエリクソンやハヴィガーストとは見ている観点が違っています。

 

今回は認知発達心理学からピアジェの理論の一部を紹介します。

 

 

  • 人が認知・学ぶ過程

 

ピアジェは人間の知能や知的行動を「適応の最高の状態」と考えています。

知能として獲得するまでの過程「シェマ」「同化」「調節」の三段階に分けています。

 

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学習し社会に適応していく過程は同化と調節によって適応していきます。

同化とは、生活体が既に持っているシェマという認知の枠組みを環境や対象に働きかけ

自分のものにする過程を指します。

イラストの例でいえば、赤ちゃんの認知の枠組みの中に鉛筆が入りました。

このことによって赤ちゃんの生活体に鉛筆という枠組みができたということになります。

この認知の枠組みをシェマと言います。

 

既に赤ちゃんの中に存在している「鉛筆」というシェマに対して、外界から提示されるもの

によって、「鉛筆」というものを自分のものにしていきます。

これを同化と言います。

ここで、鉛筆じゃななくてシャーペンを提示されていたとしても赤ちゃんは、

形の似ている「鉛筆」と認識します。事実と異なっていても、

赤ちゃんが自分なりに区別して既存存在しているシェマに当てはめているのが同化です。

同化が行われたことにより、調節を行なっていきます。

 

調節とは、環境から働きを受けてシェマを変容させることです。

例の場合、鉛筆という既存持っていたシェマをペン、シャーペンを新しく外界から取り入れ

「鉛筆ではない」ということを知りました。そのことで、元々は3つとも「鉛筆」だと認知していたものが、「そうではない」ということがわかります。

そして、初めて鉛筆というシェマは、長くて細長くて先が尖っているモノという抽象的な

枠組みから、調節が行われることで、鉛筆とボールペンなどの区別がつくほど具体的な枠組み

にシェマが変容します。

 

このような同化、調節を行い、人は学習をしていくことができます。

三段階によって知的行動を外界からの情報で適応する用に獲得していっている

というのがピアジェの理論の一つです。

 

 

 

 

 

 

 

 

今回は、ピアジェの中の人がどのようにして、外界の情報を自分ごと化して

取り入れていくのかという認知発達の過程をご紹介しました。

学習の段階を知っておくことで、小さいお子さんに対して、「モノを覚えて欲しい」

という時に使えそうですね。

例えば、これは「車」だよ。これは「車」じゃなくて「トラック」だよといった具合に

1つずつシェマに対して同化・調節を行なっていきやすい工夫をしてみると

物覚えがよく覚えていけるようになるかもしれません。

 

【基礎理論】人の発達とライフステージにおける課題|発達心理学

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発達心理学という言葉はきいたことがあるでしょうか?

あまりなじみのない言葉だと思います。

簡単に言うと「人を理解する」学問です。

 

人はどのように発達していくのでしょう。

各段階でぶつかってくる「壁」があります。

課題をクリアしていくことによって人格が健全に形成していったり

社会に健全に適応していくことができます。

 

「自分らしさ」というのも社会や文化的圧力、個人の価値観で

確立していくものと考えると、発達を理解し支援できるようにすることで

支援できるものがあるかもしれません。

 

そんな発達心理学について今回はみていきましょう。

 


 

1.発達とは

 

発達とは、心理学上では個体が環境に働きかけ、自らを変革していく過程を

いいます。

 

また、発達心理学的に基づくとは、①「人を理解するための学問」という面と

②「受精から死に至るまでの生涯発達」という面があります。

 

今回参考にしている本ではなかでも「ライフステージ」という考え方を

とりいれています。

 

似た言葉でライフサイクルという言葉がありますが、意味は違います。

 

◎ライフサイクル・・・「人がどのようにして発達していくか」

◎ライフステージ・・・「発達段階に生活を加えた総合的な視点から人生の各段階を見ていく」

 

という点で、ライフステージは社会や環境、生活の場面からどのような影響をうけているかも考えるためです。

 

そのため、発達心理学的にみることができると、

ライフステージに合わせた人の課題や困難なことを支援できるようになります。

 

 

 

2.発達課題と種類

 

発達課題とは人格形成、社会的適応をするためにそれぞれの発達時期において達成すべき課題のことを言います。

 

発達課題は、ハヴィガーストとエリクソンの発達課題が知られています

この2つの違いと課題について説明します。

 

 

◎ハヴィガースト発達課題

発達課題というものを積極的に導入したのはハヴィガーストです。

 

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ハヴィガーストは社会において健全な成長を成し遂げるための努力目標と位置付けています。

幸福で成功した人間になるために達成されなければならないと述べています。

『社会適応』というところを重視しているのがポイントです。

 

 

 

 

 

エリクソン発達課題

各発達段階において人間は社会によって発達課題の習得を求められ、その課題に失敗すると危機をもたらすという考え方がエリクソンです。

8段階に区分し、対立する危機の克服を発達課題としています。

 

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このようにエリクソン「パーソナリティの発達」を重視しています。

個人の内面の成長発達をみているといえます。

 

エリクソンとハヴィガースとの発達課題の違いは「どこを重視しているか」が異なるポイントです。

 

 

 

今回は、発達心理学の基礎理論を簡単にまとめてみました。

人を理解することで課題を把握でき、どうしたら乗り越えられるように支援を考えるかということをできるようになる一歩がひらけそうですね。

【鬱、回避!!】朝の憂鬱がもたらす影響 |臨床心理

朝起きると、漠然とした不安を抱く人はいませんか?

憂鬱な気分、不安な気持ちになることってありませんか?

朝いい気持ちだと、一日良い気持ちでいられますよね。

臨床心理学を用いて、朝の不安感の理由と影響について考えていきたいと思います。

 

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1.朝の不安感の要因

イギリスの精神衛生関連福祉団体のメンタルヘルスの専門家であるニッキー氏によると

「朝は不安の症状を起こす人が多い時間帯です」と言っています。

 

要因はストレスで自律神経が乱れていたり、横になっていると自分の思考に集中してしまいがちであったり、

 

特に神経が鋭くなると言われている朝は、不安感や憂鬱を感じ取りやすい状態に

あるのも事実です。

 

朝の不安感や憂鬱は、自律神経の乱れなどを要因として、特に神経に過敏になる朝だからネガティブを引き起こしやすいのだと考えます。

 

憂鬱な気持ちになったとしても起こしやすい時間帯なんだと思えると

気持ちが楽になりそうです。

 

 

2.仕事や勉強への影響

しかし、朝起きて、「嫌だな」と思うだけで脳にマイナスの影響をもたらすこともわかっています。

 

実際に、嫌なことがなかったとしても、朝起きて「嫌だな」と思うだけで

脳の「作業記憶」や「ワーキングメモリー」に影響をもたらします。

 

この影響を与える部位は、何か作業をする、業務を行うといった仕事や勉強などで

働く部位です。一時的に情報を保持したり、処理して動作ができるようにしている部分

だったりするからです。

 

ここにマイナスの影響が発生すると、業務などでミスをしやすくなるというった影響が出ることが考えられます。

 

 

 

 

 

3.簡単な対策

最後に、誰にでも手軽にできる簡単な対策を考えて2つ紹介したいと思います。

 

①カーテンをあける

憂鬱な気分になりやすい人は、朝起きたらまずカーテンを開けるといったところからスタートしてみるとよいかもしれません。

 

日光には、メラトニンと呼ばれる体内時計をリセットさせる効果があります。

またセロトニンとっ呼ばれる幸せホルモンを分泌を促す効果が日光にはあるので

 

まず、朝起きたらカーテンをあけて日光を取り入れるといったところからスタートしてみるのが良いかもしれません。

 

朝30分散歩するというのも日光を浴びて体も動かせるため効果的と言われてます。

 

 

 

 

②早起きしてクリエイティブな時間にする

米国の研究で、完全に目覚めてからの朝の2時間が最も生産的な働きをするという研究結果を出しています。

 

朝の2時間を有意義に使うことで「できた」という自信からポジティブな感情を生み出していけるかもしれません。

 

自己肯定感をあげやすい時間に行動して憂鬱を回避するのも手の1つかもしれませんね。

 

 

 

 

【サプライズに!】ギャップが生む心理効果 |行動心理学

今日は母の日ですね。

みなさんはどんなものをプレゼントするのでしょうか。

せっかく渡すならより感動させたいですよね。

今回は行動心理学ゲインロス効果のお話をしたいと思います。

 

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1.ゲインロス効果とは

ゲインロス効果とは、ギャップを生むことでマイナスもしくはプラスの感情を

増幅させる効果です。

例えばプレゼントを渡すとして

相手が誕生日であれば、誕生日だからというのを予期して

「貰えるかもしれない」という前提があるため、

普通に渡すと心理的変化が少ないです。

 

しかし、誕生日なのに帰宅する時間になっている。なのに貰えていない。

そうなると、「もう貰えないのか」という気持ちになります。

貰うことに対して期待が弱まり、マイナスの感情になります。

そんなときに、「実は…」といわれてプレゼントを渡されたらどうでしょう?

 

マイナスの感情からプラスの感情に心理変化量が増大します。

ここの心の変化のしかたが振れ幅が大きいほど深い影響を与えることができます。

 

つまり、喜びや感動を増幅させることができるのです。

ですので、今日のような母の日も、前日から「母の日渡すよ!」というそぶりを

みせるのではなく、こっそりきちんと用意しておいて、日がしずむギリギリで渡す

とギャップを作ることができるかもしれませんね。

 

ギャップを作って感動や喜びを増幅させましょう。

 

 

 

 

 

2.対人コミュニケーションでも

実は、ゲインロス効果対人コミュニケーションの場合でもこの効果を使うと

好意度に影響を与えることができます。

 

世間でいう「ツンデレの子が魅力的に見えるのはこの効果が

作用しているかもしれません。

 

研究データの中で、暖かい行動と冷たい行動をどちらかを一貫して行うのと

冷たい行動から暖かい行動をとるように移行して行うようにしたところ

冷たいところから暖かい行動に移り変わる人の方がずっと暖かい行動をする人

よりも好意的に認知するということがわかっています。

 

逆に、暖かい行動をとっていた人が冷たい行動をとるようになると

非好意的になるというデータがあるので、日ごろから人に優しく接する人は

相手に嫌がられているな、苦手だと思われているなと感じたら

もしかしたら普段優しい行動をしているからこそ、相手からみてマイナスにとれる

ようなことがあったときマイナスな感情を抱かれやすくなっている可能性があります。

 

これを知っているだけでも、自分が悪いと責めすぎずにいつもプラスの面をみせている

からちょっとしたことでマイナスにとられるぎちゃうんだなと自分の心を

保つことができます。

 

そして、これはネガティブな感情を受け取ってしまった方にもメタ認知としてつかえる

ものだと思っています。

 

いつもよくしてもらっている人を自分自身がマイナスに捉えてしまうときって

自分自身のことも嫌になってきますよね。

 

そんな時に、いつも良くしてもらっているからこそ

自分が嫌と思う面を少し見ただけで普通の人よりマイナスに捉えてしまっているんだ。

と、メタ認知できれば嫌に見えている自分を許せそうですし、

何より相手のことをメタ認知できない時より許すことができるのではないでしょうか。

 

 

「ギャップが生む効果」をぜひ日常でも活かしてみてくださいね。

 

【UI / モノのデザイン】北欧の自販機。使い方がわからなくなったのはなぜ?|認知心理学

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「使いやすいデザイン」には経験や学習が関係している。

 

例えば、北欧のミネラル水の自販機は上部部分のスロットにコインを

入れる形で購入できる。

しかし、コインを入れた後どのように購入すれば良いかわからなかったという

例がある。なぜかというと、日本の自販機はボタンを押して購入するが北欧のものは

パネルごと押して購入するからだ。そのため、北欧の自販機で購入しようと

した際にボタンがなく、利用の仕方がわからないということが発生した。

 

使いやすいデザインには「知識・経験」が踏まえて作られているものが多い。

それを踏まえて、認知心理学の観点から、モノの使いやすさについてみていきます。

 

 

1.メンタルモデル

メンタルモデルとは、「こういう風に働きかけるとこんなふうに動く」という知識のことです。人は、「どのように動くか」の知識を持っています。

 

ビジネス的に考えると、ユーザーと置き換えれます。

ユーザー目の前のシステムについて信じているもののことです。

どのようにユーザーが目の前を理解しているかということです。

 

人間はどのように動くかの知識を持っているために、

頭の中でシュミレーションした結果、動きを予想することができます。

道具についても人はメンタルモデルをもち、

例えば、自販機であればボタンを押して購入する物というメンタルモデルが

存在するので、北欧の自販機で購入する際にパネルを押して買う仕組みのもの

となった時、持ち合わせているメンタルモデルと違うため、利用する際に戸惑う

という現象が起きた。

 

また、メンタルモデルは視覚的な要素だけにとどまりません。

タスク的な流れもデザインとして含まれています。

視覚的なものだけでいうと、自販機を例に挙げれば、日本人むけであるなら

ボタンがあることによって購買を自然に促せます。

タスク的な流れというと、『お金を入れる▶︎ボタンを押す▶︎商品が出てくる』

という流れです。

 

これが順序が異なったりすると、視覚的に同じデザインでも使えなくなったりします。

これは、日本人はそのように使うということを知っているから

使いやすいモノを作る際に、知っていることに合わせてデザインすることで

使いやすいモノを生めるということです。

 

 

 

 

2.UIとメンタルモデル

UIという言葉も耳にする機会がおおくなってきました。

UIとはユーザーインターフェイスの略でWebサイトでいうサイトの見た目や見やすさ

使いやすさのことです。操作性含めてユーザーにとって利用しやすいかというところです。

 

サイト構築やアプリのデザインも含め、UIを考える上で

メンタルモデルを考えることは大事なのでしょうか。

 

なぜなら、デザイナーがいくら「こうであろう」という設計をしても

使う人にとってその知識を知り得なかったり、使う人は使いたいと思うデザインでない

と意味ないからです。

 

例えば、美大を出ているデザイナーがデザインの視覚的なところにこだわったとしても

美大生はこだわりのあるデザインを見ていたいと思ったとしても、

見ていたいと思うような知識が美大生にしかない場合、そのデザインを良いと思うのは

美大生しかいません。

 

だからこそ、自分が知ってる知識だから問題ないわけではなく、

ユーザーのメンタルモデルにあっているかが重要なのです。

 

よって、仮にユーザーが信じているものとデザイナーが信じているものに

咀嚼が生じた場合、使いにくいものに結果的になってしまいます。

 

 

そのため、デザインを考えるときは使う人が「どのような知識や経験を持っているか」

を考えて、使う人目線の情報を踏まえた設計が使いやすいデザインにつながると言えます。

 

使う人目線の情報や経験、知識を知ることもデザイナーを目指す人や

仕事で使う人にとっては必要なスキルかもしれませんね。

【デザインは問題解決】ヒトは物と対話している!?|認知心理学

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「デザインする」と聞いて装飾をイメージする人も多いのではないでしょうか。

しかし、デザインとは実は「問題解決」の手段でもあるのです。

 

例えば、今持っているペンを「なぜ使いたいと思い持っているのでしょうか。」

持っていたいからという自己目的な理由と、文字を書きたいからという問題解決の面を

持っています。

 

このように見た目の美しさだけでなく、使いやすさという面で「デザイン」性

持ち合わせています。

 

その面を認知心理学の面から見ていきます。

 

 

 

1.人と物とコミュニケーションをしている

 

相互作用があるという意味で人と物とはコミュニケーションをしていると考える事ができます。

 

人が物を使う時、人と物の間に情報が介在しています。まるで対話のように物を通して

情報の流れがあることがわかります。

 

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このコミュニケーションの過程を2重インターフェイスと言います。

1つ目モノに「働きかける」、モノから情報を「受け取る」こと第一のインタフェースと言います。携帯であれば番号を入力する(働きかけ)、友人からのメールを受信する(受け取る)と言ったところが第一のインタフェースです。

 

2つ目モノが現実世界で問題解決ができるための、「物理世界とモノのやり取り」です。

携帯であれば、モノに人間の声が入り(電話する際、携帯を通すためケータイに話しかけることになる)、声が基地局や回線を通して相手に伝わる。

 

その際、相手に伝わる前、「基地局や回線といった物理世界を通っている」これを第2のインタフェースと言います。

 

このように携帯(モノ)と人間と物理世界で情報の流れが存在します。

この二段階の対話が存在し、それによって、モノを利用することができ

結果、モノが使えることで何らかの問題解決しているということになります。

 

このような認知の働きによって「使いやすい」という問題解決の面でのデザイン性

が機能していることがわかります。

 

高度な携帯やパソコンなどの電子端末は2重のインタフェースとなりますが、

アナログなコップ、ペンといったものは直接的に働けるため、

人工物(モノ)と人との接点が1つしかないことが多いです。

そのためインタフェースは1つになり、そのまま作用します。

 

ユーザの目線に立ち、デザインを考える上でインタフェースと呼ばれる情報の流れがあることを知っておくと、顧客目線を重視したデザインを考えられそうですね。

 

 

2.みてわかるデザイン

一眼で見てわかることを心理学用語でアフォーダンスと言います。

第一のインタフェース(モノから受け取る、モノに働きかける)において

モノを使うときに、『直感的に』どこに働きかけるか、上手く使えるモノなのか

「わかる」デザインになっていること。その重要な特性の1つがアフォーダンスです。

 

 

例えば、コップ。

 

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このコップを使うときに「取っ手に指をかけたのはなぜでしょう」

「直感的に指にかけるものだとわかること」がアフォーダンスの効果です。

 

このようにわかるのは人が知的だからという理由ではなく、

モノ自体に豊かな情報があるからという外的環境と人が直接反応し相互作用するからこそ

「使いやすいものだ」ということがわかる言えます。

 

人とモノが対話をすることで人の問題解決をしているというのも

わかるのではないかなと思います。

 

しかし、アフォーダンス効果の難しいところは、

「モノが行動を促す」属性を持っていると言いつつ、その属性は

「物自体が持っていて、いつでも同じように人に認識されるわけではない」

というところです。

 

対話することで問題解決しているというのが実はキーであり、

モノ自体が人を動かす属性を持っているわけではないのです。

モノが人を動かす属性を持っていて、「人がその行動を取ろうとしたとき」

初めて、コップの取っ手であれば、「ここを指にかけて使うモノだ」と知覚されるのです。

 

このようにモノと人の情報の流れと相互作用によって行動を促し、問題解決されます。

 

ですので、「問題解決」という側面からデザイン性を見たときに

良いデザインを心がけるにも、人の行動を引き出すアフォーダンスをいかに適切に

デザインできるかが大切になります。

 

どのようなデザインをすれば、人はどのように受け取って、問題解決可能な働きを

促せるか、人とモノの両側面から情報の流れをイメージできると良いデザインが考えられそうですね。

 

【編み出せ】効率よく暗記するには!? |認知心理学

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記憶する上で、前回は、文字の色や壁紙の色など

勉強をする上で、「環境」に着目した記事を書きました。

 

今回はどのようにしたら、物の名称や単語を覚えられるのか

知識としてっ定着することができるのかを認知心理学の視点から見ていきます。

 

 

1.知識はどのように生まれるのか

 

知識を得た状態とは、人はワーキングメモリ内の短期間しか持続しない記憶が、長期にわたって忘れることのない持続的な記憶として定着することです。

そのことで、「記憶」から「知識」になる状態になります。

 

ワーキングメモリとは動作を行うために一時的に記憶をためる倉庫のようなものです。

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https://cog-evo.jp/column/human-error/ コグエポから画像引用) 

 

人は外界から情報を受け取り瞬時に記憶し出力して、勉強をする、仕事をするなどの運動機関へと出力されています。

 

「記憶」が「知識」となるときは、作業記憶と呼ばれるワーキングメモリの短期間しか持続しない記憶が、何度も何度も心の中や声に出して繰り返し覚えようと(リハーサル)することで、記憶が長期的に持続するようになります。

 

それにより、単なる「記憶する」から「知識にする」まで定着することができるのです。

リハーサルを繰り返し行うことで記憶する際の成績が上がるというデータも存在し

リハーサルを繰り返すことで記憶を定着させることができると証明されています。

 

 

 

 

 

2.一時的な知識(暗記)

知識とは、記憶が何度もリハーサルされることで長期的な記憶の持続ができるようになり

知識となるということを述べました。

 

それを考えると、「暗記」など、単語を一時的に覚えることは、

何度も繰り返され記憶から知識となっているものの、知識となるための

記憶が持続する時間が短いので一時的な知識と言えると思います。

 

暗記のような一時的な知であれば、リハーサルを何度も行うことで一時的に知識として

持つことができます。

 

ですので、何か一時的に覚えたいことがあるとき、一日忘れてはいけないことがあるとき

は、声に出して何回も言って覚えていく、心の中で何度も唱えることでリハーサルされるので

ちょっとした覚えることがある時には有効です。

 

しかし、英単語を覚えるなど暗記したい事柄がいくつもあった場合、知識にするまで難易度が上がります。

このようなときは、精緻化させるのが有効です。

 

例えば、英単語であれば覚えたい英単語と関係する、意味づけできる事柄を用意して覚えることです。「意味づけする」ということがキーになります。

 

例えば、『「DOG」=「犬」』と覚えたいのであれば、

『「DOG」ー「犬」ー「うちのペット」』

と言った具合に自分なりに関係する他の情報と結び付ける(精緻化)が行われることで暗記しやすくなります。

 

意味づけを行った対象の人と行ってない人で記憶のテスト行ったとき意味づけを行った人の方が得点が高くなっているデータからもわかります。

 

より暗記しやすくするためには、

入ってくる情報を受動的にリハーサルするのではなく、積極的に情報を自分なりに意味的に、内容的に精緻化(意味づけ)する意識が大事といえます。

 

 

単語を覚えたり、仕事を覚えたりするとき

「暗記」が必要となる時に、覚える単語をそのまま受動的に繰り返しリハーサルするのではなく、積極的に覚えようという意識や行動が結果に繋がってくることがわかりますね。