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【EQ / 仕事ができる人とは】必要なのは感情をコントロールできること|行動心理学

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近年、画一的な教育な教育が問題になっていますが、

人の知能指数を測る知能指数は、IQだけではありません。

EQという心の知能指数も存在しています。

 

学力だけが頭の良さを測るものではないということです。

心の知能指数と呼ばれるEQは、どのようなものなのか?

むしろ、社会人になって必要なのはEQだと言われることもある知能指数

どのような面で必要だと思われているか行動心理学の観点からみていきましょう。

 

 

 

1.心の知能指数(EQ)とは

そもそも、EQとは何でしょう。

EQとは「education intelligence」の略で、自分の感情をどのようにうまく扱えるか

他人の感情にどう適切に反応できるか、他者や自己を含めた感情を知覚し

うまくコントロールできるかの知能指数です。

「こころの知能」とも呼ばれています。

 

EQは5つの要素で成り立っています。

 

①自己認知

自分の感情がわかっているということです。

自分ができること、人の助けが必要な時、自分の感情の引き金となるものは何か

など自分の感情を把握することができることを言います。

 

②自己制御

自分の感情が爆発しそうになった時に抑制することができる力です。

自分の感情をコントロールする、自分と異なった意見の人がいたとき

落ち着いて議論できるなども含まれます。

 

③意欲

お金や地位ではなく、個人の喜び、好奇心、生産的であることに対する満足感

のために生まれる意欲があることを指します。

 

④共感

上記3つは、自分自身の内面の感情の話ですが、これは他人と関わる時に

関係する力です。

共感は他人の気持ちを汲み取る能力や行為で、他者に対して適切な反応であることです。

 

⑤社会的能力

他人に共感するだけではなく、自分と他人のニーズを交渉する力のことです。

他人との合意点や着地点を見つけたり、仕事で他人の管理をしたりできる能力

があることを言います。

 

以上5つの要素から構成されています。

EQは、ダニエル・ゴールマンという学者がまとめたものが有名で

元々、ゴールマンが青少年の精神衛生に問題意識を持っている人であったため

EQも「情動(エモーション)をいかに自分で抑制・コントロールするか」という

精神衛生面に焦点を置かれて考えられているものと言えると思います。

 

 

 

2.ビジネスとEQ

 EQを有名にしたのはゴールマンでしたが、発表したのは別の学者の論文です。

1990年に発表されたものなので比較的新しいものなのではないでしょうか。

 

彼らが着目していたのは心理学的観点からビジネス社会における成功要因でした。

なので、EQは「ビジネスでうまくいくにはどういう力が必要か」から

研究されたものなので、社会人になって職についた時、必要になる力といえます。

 

彼らは、高学歴のIQが高い人材が能力を測る上での指標となっていたが、

実際ビジネスの世界で検証した際、IQと仕事ができるかの能力の相関がなかったことが

わっています。

そこから生まれたのがEQです。

 

EQを発表した学者たちは、「ビジネスで成功した人は対人関係能力に優れている」と述べています。

「学歴で現れる能力は2割、8割は対人関係能力」と結論づけています。

 

感情をうまくコントロールできる能力は、学力より仕事をする能力としては

必要とされているかがわかります。

 

例えば、 EQが高ければ

社員の精神衛生を保ちながら仕事環境を作れる、リスクの芽を早めに潰せる

トラブルか生じても動揺せず的確に対処できる 等できるようになります。

 

なぜかというと、これらのことは他人の感情を汲み取る力があったり、

自分自身の能力を自分でわかっていたり、感情をコントロールがうまくできないと

行えないからです。

 

つまり、 EQで必要とされている力です。

これからは学力ではなくEQ(感情をコントロールしたりする力)が必要な時代なのかも

知れません。

知識だけではなく、対人スキル、感情のコントロールなど EQが高まりそうな

力を蓄えておく方が社会に出た時、役に立ちそうですね。