【UI / モノのデザイン】北欧の自販機。使い方がわからなくなったのはなぜ?|認知心理学
「使いやすいデザイン」には経験や学習が関係している。
例えば、北欧のミネラル水の自販機は上部部分のスロットにコインを
入れる形で購入できる。
しかし、コインを入れた後どのように購入すれば良いかわからなかったという
例がある。なぜかというと、日本の自販機はボタンを押して購入するが北欧のものは
パネルごと押して購入するからだ。そのため、北欧の自販機で購入しようと
した際にボタンがなく、利用の仕方がわからないということが発生した。
使いやすいデザインには「知識・経験」が踏まえて作られているものが多い。
それを踏まえて、認知心理学の観点から、モノの使いやすさについてみていきます。
1.メンタルモデル
メンタルモデルとは、「こういう風に働きかけるとこんなふうに動く」という知識のことです。人は、「どのように動くか」の知識を持っています。
ビジネス的に考えると、ユーザーと置き換えれます。
ユーザー目の前のシステムについて信じているもののことです。
どのようにユーザーが目の前を理解しているかということです。
人間はどのように動くかの知識を持っているために、
頭の中でシュミレーションした結果、動きを予想することができます。
道具についても人はメンタルモデルをもち、
例えば、自販機であればボタンを押して購入する物というメンタルモデルが
存在するので、北欧の自販機で購入する際にパネルを押して買う仕組みのもの
となった時、持ち合わせているメンタルモデルと違うため、利用する際に戸惑う
という現象が起きた。
また、メンタルモデルは視覚的な要素だけにとどまりません。
タスク的な流れもデザインとして含まれています。
視覚的なものだけでいうと、自販機を例に挙げれば、日本人むけであるなら
ボタンがあることによって購買を自然に促せます。
タスク的な流れというと、『お金を入れる▶︎ボタンを押す▶︎商品が出てくる』
という流れです。
これが順序が異なったりすると、視覚的に同じデザインでも使えなくなったりします。
これは、日本人はそのように使うということを知っているから
使いやすいモノを作る際に、知っていることに合わせてデザインすることで
使いやすいモノを生めるということです。
2.UIとメンタルモデル
UIという言葉も耳にする機会がおおくなってきました。
UIとはユーザーインターフェイスの略でWebサイトでいうサイトの見た目や見やすさ
使いやすさのことです。操作性含めてユーザーにとって利用しやすいかというところです。
サイト構築やアプリのデザインも含め、UIを考える上で
メンタルモデルを考えることは大事なのでしょうか。
なぜなら、デザイナーがいくら「こうであろう」という設計をしても
使う人にとってその知識を知り得なかったり、使う人は使いたいと思うデザインでない
と意味ないからです。
例えば、美大を出ているデザイナーがデザインの視覚的なところにこだわったとしても
美大生はこだわりのあるデザインを見ていたいと思ったとしても、
見ていたいと思うような知識が美大生にしかない場合、そのデザインを良いと思うのは
美大生しかいません。
だからこそ、自分が知ってる知識だから問題ないわけではなく、
ユーザーのメンタルモデルにあっているかが重要なのです。
よって、仮にユーザーが信じているものとデザイナーが信じているものに
咀嚼が生じた場合、使いにくいものに結果的になってしまいます。
そのため、デザインを考えるときは使う人が「どのような知識や経験を持っているか」
を考えて、使う人目線の情報を踏まえた設計が使いやすいデザインにつながると言えます。
使う人目線の情報や経験、知識を知ることもデザイナーを目指す人や
仕事で使う人にとっては必要なスキルかもしれませんね。