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【5歳児の大人】結果で自己の承認を満たす人っていませんか?|家族心理学

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周りに自分の承認欲求を満たそうと、自慢話を聞いて同調すると喜んだり

認められるために頑張って結果でマウントを取ってくるような

関わりづらいなって人っていませんか?

もしくは、自分の感情を抑圧して全部人の言うことを聞いているという子も見るのではないでしょうか?

 

今回は家族心理学という観点で、なぜ大人になって自分の意思を言えなかったり

自分の認められたい欲求を突きつけてくるような心理状態になるのでしょう。

 

 

今回は「5歳児の大人」という話を見ていきます。

 

 

1.愛着形成の大切さ

乳児期や幼児期に大切にされているのは「愛着形成」です。

周囲の人を好きと思える『基本的信頼感』と自分は周りから愛されている、

自分のことを無条件に好きと思える『自己肯定感』を育むのが重要とされています。

 

この時期1番小さい子にとって接する時間が長いのは「親」です。

身近なひと(親になることが多い)を通じて安心できる関わりを作れることが

自分にしたいことを伝えられたり、話を聞く意欲が生まれるなどコミュニケーションの

土台となる時期と言われています。

 

つまり、この時期に愛着形成することが子供にとっての心の成長につながるのです。

 

 

 

 

2.五歳児の大人

それができない時、子供はどうなるのでしょう。

乳幼児期に親から愛されない(ありのままを受け止めてもらえない)

子供にとって安心できる状態で育てられると、

心が5歳のまま成長しなくなります。

そのことによって、「生きることが辛くなります」

 

心が5歳のまま成長が止まっているので、社会に出たときに責任を負うことや

周囲と自分とのギャップで、そもそも生きることが辛くなります。

 

5歳児の大人にはどんな特徴があるのでしょう。

 

3つ言われていることがあります。

①真面目で憎しみを持っている ②したいことをしてない ③協調性がない

 

ということです。

 

5歳児の大人は、小さい頃から強制的にやらされていることが多いです。

例えば、「親に強制的に習い事に行かされていた」「母の夢を押し付けられる」など

です。

 

そうすると、幼少期に1番必要な親から「安心できる愛」を受け取れていない状態になります。

親にとっては愛情だと思ってやっていることも、子供にとって安心できることでなかったり

我慢している状態であれば、「ありのままの自分を受け入れられてもらえない」

という不安定な環境で育つことになります。これでは愛着形成ができません。

 

そうなると、大人になった時、「母なるものへの願望が満たされないまま」大人になります。

エリクソンの発達課題のように人間にはそれぞれの時期に解決すべき課題と欲求があります。

 

asakashinri.hatenablog.com

 

このように、乳児期の課題が、基本的信頼感という『愛情』だったり、幼児期には

それを基盤とした『自律』が課題だったりします。

 

そうすると、乳幼児期に課題をクリアせずに大人になるので、

自分が安心できる状態を作ろうと、『認めてほしい』という欲求を大人になった今

周りに求めるようなことをします。

 

例えば、勉強で優秀な成績をとって友人に「成績で」認められようとしたり、

人の意見に呑まれやすかったり、

共通しているのは『認められようとする』ということです。

 

自分の気持ちを抑圧して愛情を満たそうと言う行為をしたり、

逆に自分のいかに大変だったか、自慢話がすごかったり、

そこに同調されると機嫌が良くなったりします。

それは『認められよう』と無意識のうちに不足している愛情を求めているからです。

 

このような状態にある人を「5歳児の大人」と呼んでいます。

このように5歳児の大人は、心の成長が止まってしまっているので

愛情を他者に求めがちになるのです。

 

 

 

もしかしたら、身近にそういう人がいると関わりにくいと思う人や

嫌な気持ちになる人もいるかもしれません。

 

ですが、相手の状態をわかろうとすることで、

関わりづらいと思っても許容できるってことありますよね。

身近な人でいた時に思い出して、寛容な心で接してあげられると

お互いに良好な関係を作っていけるのではないでしょうか。