asaka|つかえる心理学

日常につかえる心理学、雑学的な心理学、学びになる心理学を綴ります。

照明の心理効果・防災と地域情景の観点から|環境心理学

行動と明かりの関係について心理学的観点から書いていきたいと思います。

 

今回使う心理学は、環境心理学です。

明かりによる人の心理や行動に与える影響について書きたいと思います。

 

照明は私たちの身近にある日常的な光です。

コンビニや飲食店、家庭での照明、アパレルのディスプレイなどにも

照明は様々な目的で利用されています。

 

今回は照明の光の明るさと人の行動の関係性について心理学的観点から述べていきたいと思います。

照明の明るさの度合いでその場にあった対人関係をつくりだしているといわれています。

実際に研究の結果、声の大きさや会話のテンポ、視線の合わせ方が照明の色や照度によって変化しているという研究結果もあるくらいです。

 

 

私たちは、無意識のうちに動作や行動を明かりの影響を受けて変えているということになります。

そして、室内以外にも明かりは存在します。例えば、街頭もそうです。

今回は、室外の明かりと地域空間が有する情景を守るという観点から、防災という観点からも明かりと行動の心理学について触れていきたいと思います。

 

 

1.明かりと情景

地域による情景は、それぞれの地域によってそれぞれ特性やイメージするものがあると思います。

 

なにげない風景も地域住民からすると、心理的に安心する雰囲気を自然と作られていたりするのでしょう。

 

相当な有名スポットでない限り、あまり、意識しない外の景観ですが、

そこにも明かりによる心理的効果が作用いていたりします。

 

私たちが生活する中で外がやけに明るくて暮らしにくいなと感じることってあまりありませんよね。

むしろ、なんとも生活光のことを考えないくらい自然に暮らしています。

 

これは、住宅地では防犯的な安全性や生活のしやすい居心地ごちの良さをふくめ

外の街頭の光は、明るすぎない光になっているからです。

派手な光ではなく、既存の光に少しだけ手を加えたような光を出す街頭や住宅街の光は、ちょうど家の玄関や窓が見える程度の明かりの明るさとなっています。

 

このように明るすぎない光によって、生活のしやすい情景は生まれているのです。

何気ない景色にも光による心理効果が働いています。

 

 

2.明かりと防災

このような景観照明による考えは、防災的な観点でも考えることができます。

光は、万が一、夜間に災害が起きた時、とても大きな役割を果たします。

景観形成による照明が避難経路の役割を果たすこともあるのです。

実際、東日本大震災の時が例として挙げられます。被災地である宮城県気仙沼市の避難誘導照明がその例です。

 

単に、光で避難経路をサインしても、地域性が損なわれるため、避難しにくいといわれています。

地域性を損なわないというのは、地形を住民にもわかる形で情景を気にかけた、避難経路を示すための照明計画にすることによって、地域住民はどちらに逃げればいいかというのを判断しやすくなります。つまりこのようなことが、防災にもつながるわけです。

 

行政などと絡めると実現は難しくなるのですが、実際南海トラフ地震による津波被災が懸念される伊豆半島熱川温泉では、既存の温泉やぐらを利用した避難照明を常設し、防災面を工夫しています。このように、行政ではなく既存の店舗などと協力して照明を使って防災に備えるということはできるでしょう。

 

このように、光によって人は行動するサインになったり、安心させる心理効果があるのです。

 

地域おこしなど、地域を守るという観点からも、光と心理的な安全性というのは大事にな考えるべき観点になるかもしれませんね。