asaka|つかえる心理学

日常につかえる心理学、雑学的な心理学、学びになる心理学を綴ります。

自助グループによる支援|臨床心理学

今回は「自助グループ」について話していきたいと思います。

自助グループ」とは、生きていくうえで何らかの困難、問題、悩みを抱えた人が同じような悩みを抱えている人と自発的なつながりで結びついた集まりのことを言います。

 

「自助」は、 困難を抱えた当事者同士の関わりの中で自分の問題に向き合い、 自分の生き方を追求していくという意味を持っています。

 

心理的支援といえば、学者や臨床家など心理の世界の専門家による支援がいっぱんてきなイメージとして付きやすいですが、

 

現代において専門家よりも当事者同士での「素人」による支援が広まっています。

当事者同士が集まることにより、お互いに自分たちで支えあうことで、回復することができます。

 

専門家による治療は例えばアルコール依存症であれば、退院しても結局は自分自身の意思と行動の問題であったりするため退院してもすぐ飲んでしまったりします。

 

自助グループのすごいところは、素人の当事者同士だからこそ、自分自身の意思や行動を治すことができるのです。

 

このように、悩みや困難を抱えている人たち同士がつながり話し合うことで回復する効果があります。

 

これは、アルコール依存やドラッグ依存、うつ病などといった重たい内容以外にも当てはめることができるのではないかと考えています。

 

 

1.日常的な「なんか今日だめだなぁ」と思う怠惰の要因は?

生きていく中で、将来に対する悩みや学校のこと誰しも困っていることや、悩んでいることはあると思います。

 

意識していなくても、憂鬱な気持ちになっていたら、ついアニメに没頭していたり、

ゲームしか手につかなかったり、やらなきゃいけないことがあるのにぼーっとしてしまう日なんてありませんか?

 

私たちは、そうした小さな日常で依存に似たものを経験しているのです。

 

コロナによって大学に行けなくなったり、人とのつながりが軽薄化すると、何かの依存につながったりします。

 

居場所を求めてつながりを作ろうとするのが依存症の発端になるのです。

 

なんとなく、日常で怠惰になってしまったり、なんなきゃいけないことをやれなかったり、そんな「なんとなく」していることが心の悩みによる疲れをためている結果の表れかもしれません。

 

 

2.依存症と自助グループ

 

私たちの日常でも自助的なことは行われたりしていると私は考えています。

「なんとなくモヤモヤしていたことがあったけど、わかってもらえそうな友達に話したら、もやもやが晴れた。」ってことありませんか?

 

これも私は自助的な活動だと思うのです。つながりから同じような悩みを持っていそうな友達だからわかってもらえそうと思い、話すことで回復する。

 

そして、こんなやり取り思い浮かびませんか?

相談した自分が言ったことによって、

友人が「じつは私も~ことおもってて、もやもやしてたんだよね。どうしよう。」といった具合に、自分が言ったことで似たような悩みが返ってくるそしてそれに自分が応じる。

 

こうした同じような悩みを抱える人を同じような悩みを抱える自分が助けることによって、自分も助けられるのです。

 

このような、お互いに話すことで自分を助けることにつながっていたり、一緒にいてつながりがあることにより、回復したりすることができるのが自助的な活動です。

 

そもそも依存というのは、つながりから始まるのが多いです。

例えば、たばこであれば、たばこは「かっこいい」というところから始まり、

たばこによってコミュニティができる。

居場所がないと、たばこがないと居場所を得られないとなってしまうのです。

 

そして、そのコミュニティがひどいとコミュニティに対して信頼感はなく、しかし、居場所と感じれるのはそこしかないため、自分を認めてくれると感じさせてくれるものがたばこになってしまったりします。

 

つまり、依存をなくすうえで自助グループが大切なのは、信頼のおけるつながり(居場所)と助けることで助けられる関係に当事者同士のつながりだからできるということです。

 

これは、日常的な悩みや出来事に対しての不満などにもいえるとおもいます。

同じような悩みを持っている友人と話したり、相談しあったり、言い合ったりすることは、日常的に募るストレスを緩和できる機会にもなるかもしれません。

 

コロナウイルスにより、人と話す機会も減ってしまったかもしれませんが、

当たり前に行っていることが実はストレスを緩和してたりするので、それがやりにくくなった今、意識してコミュニケーションをとる機会を増やしてみるのもよいかもしれませんね。