asaka|つかえる心理学

日常につかえる心理学、雑学的な心理学、学びになる心理学を綴ります。

【一旦落ち着こう。】やりたいこと探しは、大学3.4年からで見つかった方が”珍しい”理由とは。|青年期の心理学

就活生の皆さん、「やりたいことって見つかんない」とあせってしまいませんか?

3年になれば大学から就活について焦らされて、今まで目を向けてこなかった

「将来」について考えなければいけなくなります。

 

自己分析、ES(エントリーシート)、企業分析、説明会…

 

 

 

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いきなり、言われてもどうしたらいいかわからなくなりますよね。

 

 

 

 

今日は、将来に焦り始める3,4年生に向けて

自己分析などで追い詰められてしまった人に、

 

自分だけではないよ。というメッセージをこめて、

焦りをリセットして、

落ち着いて頑張りなおしてみようという原動力になったらいいなと思います。

 

そして、大学1,2年生に今から少しでも将来のこと意識して動いておこうという

意識をもつきっかけになったら嬉しいです。

 

 

今日使う心理学は、「青年期の心理学」

青年期とはエリクソン(エリク・H・エリクソン)が提唱した自我発達年齢区分をもとにすると、青年期は13歳~18歳とされています。

青年期の心理学とは、その時期にひきおこされやすい心理状況を研究した学問のことです。

 

今回は、「青年期の心理学」を使って就活にあたって「やりたいことがみつからない」ことについて「やりたいことがない」ことはやばいことなのかということを

書いていきたいと思います。

 

 

1.就活でなかなか「やりたいこと」がみつからない理由とは…!?

実は、心理学上で証明されています。

 

大学3.4年になり、「就活」のことを意識させられる時期になります。ES(エントリーシート)、志望動機を考える際、ぶつかるのが「自分のやりたいことって何だろう…?」

という壁ですよね。

 

大学4年生にもなれば、周りの友達は何となく決まているのに、「やりたいことが決まってないのは自分だけなんじゃないか…」など焦りだす人も多いんじゃないでしょうか。

 

実は、「やりたいことがみつからない」という課題は、「青年期の心理」という学問の中で、「将来決定の先送り」が要因とされています。

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図のように、私たちは、義務教育終了と同時に、高校進学、大学進学…など

「将来」に対して、向き合う機会が何度か訪れます。

 

しかし、「社会に出て何をしていくんだろう」という要請より、

私たちは、高校、大学受験にあたれば、将来の進路選択ではなく、学校に受かるための進学選択をしてしまうことが多いです。

 

進路選択ではなく進学選択をし続ける結果、大学生になっても同じような思考で考えていくため、将来志向より現実志向な学生が多いです。

 

つまり、将来のことを考えるというより現状で起こっていることに対して意識を持っている人が多いということです。

 

結果、大学3年4年の就活の時期になって、将来を考える要請がようやく来た頃に、

やっと、将来のことを考え出すという人が大方なのです。

 

このように、就活の時期になり焦りだしやすい「やりたいこと」について書きましたが、「将来志向ではなく現実志向」になりやすい教育の仕組みによって将来決定が先延ばしになってしまうことは、明白です。

 

ですので、現在就活中で「やりたいことがない」からといって焦りすぎる必要はないですし、今この問題で焦りすぎていると感じる人は、焦りによるストレスを溜めすぎず、一旦落ち着いてからリセットした状態で「自分を見つめ直す時間をとりなおす」ということも重要かもしれません。

 

 

 

かといって、これを理由に「なら、まぁ、いっか」でおわってしまうと、

弊害があるということ、大学3年4年でやりたいこと探しを始めると将来自分がどうなってしまうのかということを書いていきます。

 

 

 

 

 

 

2.「やりたいこと探し」は大学3,4年からでは遅い!?将来決定を先送りによる弊害。

 

「やりたいこと探し」をしても、就活から開始して見つからないケースの方が大半ということを話したうえで、1,2年生、「なんとかなるや」と思っている就活生にむけてそれによる弊害についてお話ししたいとおもいます。

 

3,4年になってようやく、「将来について」を考えるようになりますが、実際3.4年から将来について考えはじめた時、自分が就職するとなった時どうなるのでしょうか?

 

日本の青年は、「働くこと」への捉え方の特徴として、「やりたいこと思考」が強いと言われています。

 

諸外国と比べて、仕事内容、職場の雰囲気、自分を生かすことに重要性が高く、収入や将来性に対しては重要性が低く見ているのが日本の青年の特徴です。

 

しかし、それに対して職場に対しての満足度は世界各国と比べて相対的に不満が多い傾向があります。

 

それは、将来やりたいこととやれることのギャップにあると言われています。

 

「やりたいこと」は自分の中にあると思い込むことが多いため、いつか見つかると思い、その結果やりたいことをみつけられず、先送りにする傾向があります。

 

なので、やりたいことをやるのではなく、将来に対してやりたいことではないことを現実ではやりがちです。

 

現実ではやりたいことに対して動かないものの、やりたいことは自分の中にあると思い、いつか見つかるという思い込みがあるので、

「やりたいこと志向」が強い人たちは、やりたいことがみつかっていなくても、将来に対して自分のやりたいことをやりたいというこだわりが強いため、やりたいことが見つかっていない現実では、いつか見つかるのまま将来に対して動きが制限されてしまいます。

 

そうすることで、なかなか現実では将来に対してやりたいことを見つけようという意識も芽生えず、いつか見つかるのまま過ぎていきます。

就活間近になって考えたやりたいことを考え始めても、自分将来決定を先延ばしにしたことで、自分のできることの範囲がわからず、自分がやれる事とやりたいこととのギャップに諦めてしまったり、就職できてもそのギャップに気づくのが就職後のため目の当たりにした時、苦しくなり離職するケースが後を立ちません。

 

このように、「やりたいこと志向」が強い傾向にある学生ですが、将来決定を3.4年から始めたり先送りにすることで、自分の本当にやりたいことを見つけきれず会社に対して不満を感じている人が多かったり、離職率が高くなるのが現状です。

 

こうした離職率の高さや不満を持ってしまうのは、やりたいこと志向が強いが故に、自分のやりたいことは自分の内にあるから、何もしなくてもそのうち見つかると、やりたいこと志向のこだわりをもちつつも、現状は動かないため、実際は自分の本当にやりたいことをみつけ出せないというのが現状です。

 

将来、自分が不満を抱えながら働かなくてよくするためにも、就活が始まる前の段階で自分のやりたいことを探し始めたり、何かに挑戦してやりたいことを見つけることがとても大事です。

 

 

 

就活生で焦っている人も焦り過ぎず、落ち着いて今までに挑戦してきたことや、大切にしてきたことを見つめ直す時間をとってみたり、

 

1.2年生であれば、今のうちからやりたいことってなんだろうということを、探していろんなことに挑戦してみる中で本当に自分がやりたいことを見つけていくことが大切です。

 

自分の未来に後悔のない選択ができるといいですね。